レット症候群(RTT)はMeCP2遺伝子変異が主因の女児で発症する発達障害である。しかし、QT延長などの不整脈が約3割で認められ、本研究ではMecp2欠損ES細胞やマウスにおいてMeCP2が心筋分化や心臓機能に及ぼす影響を解析した。その結果、Mecp2欠損ES細胞における心筋幹細胞の発生や分化の異常やMecp2欠損マウスで心機能と関連不明の心電図異常、介在板構造の異常を見出し、潜在的な不整脈を明らかにした。更に、DNAメチル化解析やクロマチン免疫沈降法により、MeCP2は心筋分化に必須のTbx5遺伝子の発現調節に関わる可能性を示し、心臓における新たなMeCP2機能を発見した。
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