現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に沿って、順調に研究が進展している。細胞質局在型A2BP1の解析については昨年度までに、当該分子の発現抑制が大脳皮質神経細胞の移動障害、樹状突起形成不全、軸索伸長及び終末部の成長抑制、樹状突起スパインの形成不全を引き起こすことを明らかにした。共焦点顕微鏡ライブイメージングによる移動神経細胞の観察から、移動障害は神経細胞の移動機構の1つである中心体による核の引き上げが障害されたためと示唆された。これらの成果は、Hamada N, Ito H, Iwamoto I, Morishita R, Tabata H, Nagata K. Role of the cytoplasmic isoform of RBFOX1/A2BP1 in establishing the architecture of the developing cerebral cortex. Mol. Autism. 6:56, 2015.DOI 10.1186として発表された。 また、核局在型アイソフォームの解析では、慈恵医科大学、薬理学講座、籾山研究室との共同研究により、電気生理学的解析を行った。そしてA2BP1が、活動電位の発生頻度、Spontaneous excitatory postsynaptic currents (sEPSCs)の振幅、Spontaneous inhibitory postsynaptic currents (sIPSCs)の発生頻度、振幅、さらにNMDA受容体の機能を制御していることを明らかにすることができた。
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