肺動脈性肺高血圧患者の右心室は剖検心における解析では線維化面積率が正常右心室の約4倍の面積に拡大し、右室内の小動脈は減少しており、この変化は心外膜よりも心内膜側が顕著であった。右心室の相対的な虚血がこのような変化の主因であることが推測された。これらの変化は血行動態の良否には相関せず、発症から診断や治療までの年数に相関した。 右心室を主に還流する右冠動脈の太さは心不全症状と関連しており、肺動脈肺高血圧の治療管理においては、右室の線維化を抑えるため早期に発見・治療すること、右冠動脈の発達を評価することが重要と考えられた。
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