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2016 年度 実績報告書

Muse細胞を用いた周産期脳障害の新規治療開発

研究課題

研究課題/領域番号 26860844
研究機関名古屋大学

研究代表者

鈴木 俊彦  名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60711083)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード再生医療 / Muse細胞 / 新生児低酸素性虚血性脳症
研究実績の概要

平成27年度の研究報告において、HIEモデルラットに対しMuse細胞を投与することで1か月(亜急性期)と5か月(慢性期)での行動学的な改善効果が認められることを報告した。今回さらに、Muse細胞を除外した間葉系幹細胞(non Muse細胞)を加え、Muse細胞との行動学的な比較検討を行った。その結果Cylinder試験では、投与後5か月の評価で前肢使用非対称性の程度が、Muse投与群においてnon Muse投与群やvehicle群と比較して改善しており、運動障害の改善が示唆された。学習障害は能動的回避反応(shuttle avoidance test)で評価し、同様に5か月の時点でMuse投与群において有意な治療効果を認めた。さらにopen field試験により、vehicle投与群・non Muse投与群で認めていた多動性(行動異常)が、Muse投与群で有意に改善していることを確認した。またMuse細胞投与による各種臓器(肺・肝臓・脾臓・腎臓)での肉眼的腫瘍性変化などの弊害は認めなかった。
次に各臓器におけるMuse細胞またはnon Muse細胞の生着確認として、Alu Sequenceを用いた評価を行った。細胞投与2週後の時点では、Muse細胞が患側脳と肺で、non Muse細胞が肺でのみ検出された。また細胞投与4週後の時点では、Muse細胞が患側脳でのみ検出され、non Muse細胞はいずれの臓器でも検出されなかった。以上の結果からMuse細胞は投与後長期にわたって患側脳にのみ生着することが証明された。
現在さらなる評価として、皮質脊髄路の側通性確認などの電気生理学的評価や、SPECT/PETによる画像評価を行っているところである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [学会発表] 新生児低酸素性虚血性脳症に対する Multilineage-differentiating stress enduring cells を用いた幹細胞療法2016

    • 著者名/発表者名
      鈴木俊彦
    • 学会等名
      第52回日本周産期・新生児医学会学術集会
    • 発表場所
      富山国際会議場(富山県、富山市)
    • 年月日
      2016-07-16 – 2016-07-18
  • [産業財産権] 多能性幹細胞による周産期脳障害の改善及び治療2016

    • 発明者名
      佐藤義朗、鈴木俊彦、清水忍、水野正明、早川昌弘、出澤真理
    • 権利者名
      名古屋大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      2016-098186
    • 出願年月日
      2016-05-16

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公開日: 2021-01-27  

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