研究課題/領域番号 |
26860850
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
郷 勇人 福島県立医科大学, 医学部, その他 (30443857)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | miRNA |
研究実績の概要 |
平成27年度は、生後7日間高濃度酸素暴露(吸入酸素濃度95%以上)による重度の新生児慢性肺疾患マウスモデルを作成した。新生児慢性肺疾患モデル肺ではコントロール群に比べ、肺の組織像でRadial Alveolar Counting(RAC)の減少を認め、また、肺から抽出したtotal RNAからqPCRを行い、酸素暴露で上昇するヘムオキシゲナーゼ-1も有意に上昇していた。両群から3検体ずつの肺から、total RNAを抽出後、TaqMan Low Density Array(Applied Biosystems社)を用いて、定量でmiRNAのアレイ解析を行った結果、高濃度酸素暴露群で、有意に変化したmiRNAを12個確認した。それらのmiRNAをIngenuity Pathway Analysis(QIAGEN)を用いて解析したところ、miR-21,miR-29が抽出された。 ヒトを対象とした研究では、当院NICUに入院した早産児で、同意が得られた患児の臍帯血血清を20検体収集した。それらの血清から、Exosome抽出を行い、ウェスタンブロッティングやナノ粒子トラッキング解析により、Exosomeを確実に抽出できることを確認し得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ヒト検体からのExosome抽出確認作業に時間を要したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、早産児から得られた検体からExosome抽出を行い、重度の慢性肺疾患群と軽度の慢性肺疾患群の患児のExosome中のmiRNAアレイ解析を行う予定である。その結果と、平成27年度に行ったマウス肺でのmiRNAアレイ解析の結果を合わせて、標的miRNAを同定後、標的miRNAに対する阻害剤、促進剤を新生児慢性肺疾患モデルマウスに静脈投与し、その効果を判定する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ヒト検体を用いたmiRNAのアレイ解析を行わなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度のヒト検体を用いたアレイ解析を行う際に試薬費用に用いる。
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