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2014 年度 実施状況報告書

一見”正常範囲”の経過から発生する周生期由来の脳機能異常を解明する

研究課題

研究課題/領域番号 26860856
研究機関久留米大学

研究代表者

津田 兼之介  久留米大学, 医学部, 助教 (20727507)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード新生児 / 脳機能
研究実績の概要

本研究においては中~低リスク新生児における学齢期以降の高次脳機能障害の原因を多角的な脳機能観察ツールによって突き止めるとともに、介入可能な標的を明らかにすることを目的としている。研究初年度には、本研究の前提として、新生児集中治療室に入院した児において各種パラメータの情報を経時的にどの程度収集できるのかを検討した。パラメータは直接的に脳機能を評価するMRIや近赤外光スペクトロスコピーだけでなく、間接的な脳機能の評価として自律神経系、内分泌学的な評価項目(生化学的検査、呼吸心拍情報、胎動情報など)も含んでいる。その結果、各種ツールは当初の予想通りベッドサイドで非侵襲的に実施可能であることが改めて確認された。ただ症例によっては病状により急性期に実施不可能であったり、症例の入院期間によりフォローアップが途中で途切れたりと症例により情報収集量に差が見られた。またツールによっては現時点で新生児におけるvalidation自体が進んでいないものもあり、今後症例間の比較検討をするにあたり、データの解析方法から検討し直す必要があるものも見られた。ただしそれぞれのツールはもともと当施設で稼働中の研究プロジェクトでも使用されているものであり、解析方法が確立されているものも多い。これらのパイロット研究の成果を基に、今後はパラメータ収集の精度を上げること、時系列データの効率的な収集法を考えることになる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度の目的であった症例の蓄積、データの収集は進んでいる。急性期のデータ収集については病的新生児においても多くは施行可能であることが示された。また最終目標である発達予後の評価方法も外来診療で確立されている。

今後の研究の推進方策

各種パラメータについて、取得したデータを解析可能な形に変換できるかどうかを検討する必要がある。近赤外線スペクトロスコピーや超音波検査など日常的に使用されていて、かつポイント毎に得られるパラメータの解析は比較的簡単にできるが、呼吸心拍情報や、体動を評価するアクチグラフなど長期連続データについては収集されたデータの解析方法に確立されたものがない。そのため解析方法から検討する必要がある。
またより多くの症例を対象とするために情報収集スケジュールを再度検討する必要がある。

次年度使用額が生じた理由

現在、呼吸心拍情報を取得できるモニターが2台のみであり、データ集積に限りがあり、呼吸心拍情報解析のためのソフトウェア、コンピュータが必要であるため。

次年度使用額の使用計画

呼吸心拍情報解析のためのソフトウェア、コンピュータを購入する計画がある。
病的新生児は最低でも1週間は当施設に入院しており、長期連続データを継続して取得できることは本研究の特徴でもある。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (8件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] The baby cooling project of Japan to implement evidence-based neonatal cooling2014

    • 著者名/発表者名
      Iwata O, Takenouchi T, Iwata S, Nabetani M, Mukai T, Shibasaki J, Tsuda K, Tokuhisa T, Sobajima H, Tamura M
    • 雑誌名

      Therapeutic hypothermia and temperature management

      巻: 4 ページ: 173-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Noninvasive surrogate markers for plasma cortisol in newborn infants: utility of urine and saliva samples and caution for venipuncture blood samples.2014

    • 著者名/発表者名
      Okamura H, Kinoshita M, Saitsu H, Kanda H, Iwata S, Maeno Y, Matsuishi T, Iwata O.
    • 雑誌名

      The Journal of clinical endocrinology and metabolism

      巻: 99 ページ: 2020-4

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dual role of cerebral blood flow in regional brain temperature control in the healthy newborn infant.2014

    • 著者名/発表者名
      Iwata S, Tachtsidis I, Takashima S, Matsuishi T, Robertson NJ, Iwata O
    • 雑誌名

      International journal of developmental neuroscience : the official journal of the International Society for Developmental Neuroscience

      巻: 37 ページ: 1-7

    • 査読あり
  • [学会発表] 臨床所見から客観呼吸変量を予測する・・・呼吸数との関係2014

    • 著者名/発表者名
      進藤亮太, 木下正啓, 七種護, 原直子, 津田兼之介, 海野光昭, 田中祥一朗, 岡田純一郎, 久野正, 廣瀬彰子, 神田洋, 前野泰樹, 岩田欧介
    • 学会等名
      日本未熟児新生児学会
    • 発表場所
      ひめぎんホール(愛媛県松山市)
    • 年月日
      2014-11-12 – 2014-11-12
  • [学会発表] 脳血流評価として上大静脈血流波形は有用か? - 中大脳動脈血流と上大静脈血流の関係の検討 -2014

    • 著者名/発表者名
      廣瀬彰子, 岩田幸子, 七種護, 原直子, 木下正啓, 津田兼之介, 海野光昭, 神田洋, 久野正, 前野泰樹, 岩田欧介
    • 学会等名
      日本未熟児新生児学会
    • 発表場所
      ひめぎんホール(愛媛県松山市)
    • 年月日
      2014-11-12 – 2014-11-12
  • [学会発表] 一酸化窒素 (NO) 吸入療法の更なる安全性の検討 - 加温加湿器の違いによる影響 -2014

    • 著者名/発表者名
      原直子, 木下正啓, 七種護, 津田兼之介, 海野光昭, 廣瀬彰子, 久野正, 神田洋, 前野泰樹, 岩田欧介
    • 学会等名
      日本未熟児新生児学会
    • 発表場所
      ひめぎんホール(愛媛県松山市)
    • 年月日
      2014-11-11 – 2014-11-11
  • [学会発表] Bayley IIIを用いた早産児の白質傷害と神経学的予後の検討2014

    • 著者名/発表者名
      七種護, 原直子, 津田兼之介, 木下正啓, 海野光昭, 廣瀬彰子, 神田洋, 久野正, 岩田幸子, 前野泰樹, 岩田欧介
    • 学会等名
      日本未熟児新生児学会
    • 発表場所
      ひめぎんホール(愛媛県松山市)
    • 年月日
      2014-11-11 – 2014-11-11
  • [学会発表] Baby Cooling Japan低体温登録事業からの定期報告 - 登録状況と今後の展望 -2014

    • 著者名/発表者名
      津田兼之介, 柴崎淳, 向井丈雄, 武内俊樹, 徳久琢也, 岩田幸子, 岩田欧介, 側島久典, 鍋谷まこと, 細野茂春, 田村正徳
    • 学会等名
      日本未熟児新生児学会
    • 発表場所
      ひめぎんホール(愛媛県松山市)
    • 年月日
      2014-11-11 – 2014-11-11
  • [学会発表] 光源・光ファイバーユニットを用いた胃管位置確認の検証2014

    • 著者名/発表者名
      木下正啓, 七種護, 原直子, 津田兼之介, 海野光昭, 田中祥一朗, 岡田純一郎, 久野正, 廣瀬彰子, 神田洋, 前野泰樹, 岩田欧介
    • 学会等名
      日本未熟児新生児学会
    • 発表場所
      ひめぎんホール(愛媛県松山市)
    • 年月日
      2014-11-11 – 2014-11-11
  • [学会発表] 脳血流・代謝は環境温の変化にいかに対応するのか?2014

    • 著者名/発表者名
      津田兼之介, 廣瀬彰子, 原直子, 木下正啓, 海野光昭, 久野正, 神田洋, 岩田幸子, 前野泰樹, 岩田欧介
    • 学会等名
      日本周産期・新生児医学会
    • 発表場所
      シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(千葉県浦安市)
    • 年月日
      2014-07-14 – 2014-07-14
  • [学会発表] 唾液中コルチゾールの影響因子の検討:経管栄養と哺乳2014

    • 著者名/発表者名
      木下正啓, 七種護, 原直子, 海野光昭, 才津宏樹, 田中祥一朗, 岡田純一郎, 津田兼之介, 廣瀬彰子, 神田洋, 前野泰樹, 岩田欧介
    • 学会等名
      日本周産期・新生児医学会
    • 発表場所
      シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル(千葉県浦安市)
    • 年月日
      2014-07-14 – 2014-07-14
  • [図書] NICUマニュアル 第5版2014

    • 著者名/発表者名
      新生児医療連絡会
    • 総ページ数
      887
    • 出版者
      金原出版株式会社

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公開日: 2016-06-01  

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