研究実績の概要 |
我々は皮内病変、浸潤部、転移の確認されたリンパ節のそれぞれの部位からmicroarrayによる解析・比較を行って、MUCサブタイプのうち、MUC5ACは、発現の強度と病理学的深達度と予後不良の危険性には正の相関性があることが統計学的有意差を持って確認され、報告した(Hata H, et al.J Eur Acad Dermatol Venereol, 2014)。さらに、本研究に先駆けてEMPDの上皮内病変、浸潤部、転移の確認されたリンパ節のそれぞれの部位からDNA microarrayによる網羅的に解析・比較を行っているが、DNAの発現の差異のあるgene symbolを調べ、およそ50000種類を同定した。そのうち、正常皮膚に比べて病変部で2倍以上の増強のあるものを200種類、一方、2分の1以下の減少を示すものを7000種類有ることを確認した(未発表データ)。MUC以外のgene symbolに関しても再検討を行い、腫瘍の浸潤性や生命予後などをさらに厳密に反映する免疫組織学的マーカーの検索をした。このうちmTORの免疫染色による発現強度の検討が予後と関連していることを見出し、どうように報告した(J Eur Acad Dermatol Venereol, in press.)。
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