研究課題
好酸球性食道炎は、食道に好酸球が浸潤して生じ、その発症機構から「食道の喘息」とよばれ、実際に喘息やアトピー性皮膚炎の合併が知られている。そこでアトピー性皮膚炎と好酸球食道炎が合併する症例の把握、また両疾患に共通の発症機構の検討、さらにその発症機構を標的とする新規治療法を検討した。1)好酸球性食道炎患者におけるフィラグリン遺伝子変異の検索:当院消化器内科、およびその関連病院に好酸球性食道炎と診断された患者の紹介を依頼した.好酸球性胃腸炎のとアトピー性皮膚炎患者のIgE、TARC、特異的IgE(MAST33)の測定、ならびにDNA を採取してフィラグリン遺伝子変異の有無を検討した。2)アトピー性皮膚炎患者における食道病変の有無:当科や関連病院では、患者の治療に、抵抗性のアトピー性皮膚炎の入院加療を行っている。それらの患者で消化器症状を訴える患者に関し、積極的に内視鏡を行うことを検討した。3)アトピー性皮膚炎モデル動物での食道病変の誘発実験:NC/Nga 無毛マウスにおいて、種々の物質で感作し、アトピー性皮膚炎のモデル作成を試みた。4)アトピー性皮膚炎病態形成におけるthymic stromal lymphopoietin (TSLP)の関与:好酸球食道炎においてモデルマウスが作成され、thymic stromal lymphopoietin の中和抗体、好塩基球除去で症状が軽減することが報告された。そこで、アトピー性皮膚炎患者の血清中のTSLPや病変部でのTSLP の発現と消化器症状の関連、TSLP遺伝子多型の解析を試みた。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (2件)
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