研究課題/領域番号 |
26860876
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
内山 龍平 信州大学, 医学部, 助教(特定雇用) (00447757)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | メラノーマ / Runx3 |
研究実績の概要 |
本研究では、予後不良の難治性の皮膚癌であるメラノーマの細胞増殖、細胞死、遊走に関わる分子として、転写因子Runx3に焦点をあてて解析を行っている。 今年度では、まずin vitroの解析として、マウスメラノーマ細胞においてRunx3が発現してるものと発現していない細胞株があることをPCRを用いて確認した。次にRunx3の発現がないメラノーマ細胞にアデノウイルスを用いてRnux3を過剰発現させた場合とRunx3が発現しているメラノーマ細胞にsiRNAでRunx3の機能を抑制した場合を比較して細胞形態にはほとんど変化はみられなかった。疫学的にRunx3陰性のメラノーマは陽性のものと比較し予後が不良であることが報告されているが、これまでの我々の結果では増殖能や細胞死、遊走能の検討が十分できていないため、Runx3がメラノーマにおいて腫瘍抑制的か、もしくは逆に促進的かまだ明らかにできていない。 現在Runx3の転写因子としての活性を評価するため、Runx3を過剰発現させたマウスメラノーマ細胞とsiRNAでRunx3の機能を抑制したマウスメラノーマ細胞において下流で転写が増減する分子群をマイクロアレイで解析している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初提出した研究計画に記載したものより遅れている。PCRでRunx3が増幅がされにくいことや、siRNAによるノックダウン効果がとぼしく、条件検討を繰り返したことが影響している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究計画通りにRunx3を過剰発現またはノックダウンしたマウスメラノーマ細胞の増殖や細胞死が変化するか解析する。またマイクロアレイの結果を解析し、発現が変化している分子から特にメラノーマの制御やRunx3の活性化に関連する分子を選別する。それらの分子を特異的なsiRNAでノックダウンして生じる増殖、細胞死、遊走能の変化を調べる。次にRunx3の発現を変化させた細胞株を免疫不全マウスに移植し腫瘍形成能、サイズ、そして転移能を比較検討しin vivoにおける作用の解析も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初計画より状況がやや遅れたことにより、海外出張を次年度以降に実施することになったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額は平成27年度請求額と合わせて消耗品費と海外旅費に使用する。
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