研究実績の概要 |
アミロイドーシスは、正常あるいは異常タンパク質が「何らかの契機」でその構造をβシートに変え不溶性線維として体内に蓄積し、組織障害を起こす疾患群である。アルツハイマー病のβアミロイドなどで大いに注目されているが、未だそのアミロイド線維形成機序は不明であると言って良い。皮膚アミロイドーシスを材料として、ケラチン5がアミロイド線維を形成することを証明した。 具体的にはケラチン分子の試験管内アミロイド線維形成能力の検定 :CK5のアミロイド形成能を示す目的でCK5のC末部分209aaを14本の合成ペプチを、またK1, K14の相同部分を合成ペプチドで合計12本作成した。全てについてThT binding, β sheet structureにてスクリーニングを行い、Congo-red binding とfiber structure を電子顕微鏡にてCK-5内に3つのアミロイド形成シーケンス候補を見出した。3つのペプチドそれぞれの活性を比較検討して1つに絞ることができた。さらに本研究ではアミロイド線維に共存する細胞外マトリックス分子(ECM-X)を免疫組織学的検討から同定した。引き続きECM-Xとの特異的特異的結合をレコンビナントタンパク質作成後、そのレコンビナント分子とペプチドを用いて、試験管内のsolid-phase assayにて行い、証明した。またアミロイド線維形活性への促進作用をレコンビナントタンパク質と合成ペプチドの共存させ、アミロイド線維形成をThT bindingをモニターすることで証明した。本研究の成果はアミロイド線維形成の抑制方法の開発にもつながると考える。
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