研究成果の概要 |
シスタチンAは皮膚に存在し抗ウイルス作用を有するタンパクとして知られている. 30症例のアトピー性皮膚炎(AD)患者皮膚のシスタチンAを免疫染色したところ, AD皮膚病変部, 健常部ともに, シスタチンAの発現が正常皮膚に比し有意に減弱していた. HaCaT細胞にヘルペスウイルス1,2型, アデノウイルス5型を感染させたところ, シスタチンAがこれらのウイルスDNA量, タンパク合成量を抑制した. バリア機能が低下しているADではその減少の結果, カポジ水痘様発疹症をはじめとするヘルペスウイルス感染症にきたし易くなると考えられた. 将来的にシスタチンAはこれらの感染症の新たな治療法となりうる.
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