プロテアソーム阻害薬は皮膚障害を高率に引き起こし、中條-西村症候群(NNS)に類似した組織像を呈する。その背景にNNSの原因遺伝子であるPSMB8遺伝子の変異が存在する可能性を検索するため、プロテアソーム阻害薬による皮膚障害の皮膚生検組織8例からゲノムDNAを抽出して遺伝子検索を行ったが、変異は認められなかった。また9例について組織を検討したところ、NNSと同様にリンパ球、好中球、組織球の浸潤がみられ、付属器や浸潤細胞中心にユビキチンが陽性であった。プロテアソーム阻害薬による皮疹ではCD4陽性細胞がみられたのに対し、NNSではCD8陽性細胞が浸潤しており、その相違については検討を要する。
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