研究課題/領域番号 |
26860891
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
三浦 慎平 岩手医科大学, 医学部, 助教 (30713226)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | NRF2 / KEAP1 / EMT / 薬剤耐性 |
研究実績の概要 |
本邦で発生頻度の高い肢端黒子型黒色腫(acral lentiginous melanoma;ALM)に於いて,高頻度に検出されるKEAP1-NRF2系の活性型遺伝子変異が,悪性黒色腫の発生リスクの素因 (predisposition)になり得るか,細胞生物学的に検証する.以下の2つのアプローチにより上記作業仮説の検証を試みる.①正常メラノサイトへの活性型KEAP1/NRF2変異導入による腫瘍形成能の検証.②悪性黒色腫で高頻度に生じているBRAF/NRAS変異誘導型の酸化的リン酸化抑制機構1,2)が,活性型KEAP1/NRF2変異によって代償可能かの検証の2つのSTEPを経て研究が遂行される.平成26年度は,正常メラノサイトへの活性型KEAP1/NRF2変異導入による腫瘍形成能が可能か検証した. KEAP1/NRF2の変異は,1.各種type 2抗ストレス蛋白の誘導ならびに解毒作用を高めた.細胞運動能が上昇し,E-cadherin発現低下,Vimentin/N-cadherinの発現上昇が認められ,EMTが誘導されたことが確認された.これに対して,2.細胞増殖能は低下した.3.変異株はp53の変異がないとxenograftとして定着しなかった. 活性型KEAP1/NRF2変異は悪性黒色腫のdriver mutationとしてよりはむしろpassenger mutationとして作用している可能性が示唆された.また,薬剤耐性やEMTを誘導するなど,むしろcancer stem cellとしての性格誘導に関与している可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
細胞株を樹立した結果,KEAP1/NRF2の活性型変異は,NRAS/BRAFのドライバー変異の代償機構ではなく,むしろCSCの誘導型になることが示され新たな知見が導き出された.
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今後の研究の推進方策 |
現在,CSC様の発現誘導に関与する分子としてTGFβの分解誘導に関与するSMURF1/2の発現制御が候補として上がっている.次年度はこれを明らかにして論文を作成し投稿する.
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬の価格の変動で差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度以降の消耗品費として使用予定である。
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