手掌等にある無毛部皮膚の湿潤状態維持にはエクリン汗腺(EG)が重要である。本研究はラットを動物モデルとして用い、その前肢足蹠皮膚に免疫組織化学法を適用してニューロトロフィン(NT)関連分子の免疫反応(IR)がみられる組織細胞を調べた。NTの一種であるNT-3 IRがEG分泌部上皮内の筋上皮細胞に、NT受容体のうちTrkAおよびp75 IRがEG分泌部周囲のコリン作動性交感神経節後線維を含む神経組織内に、また、神経細胞の栄養因子であるGDNFの受容体GFRα-1 IRがNT-3と同様に筋上皮細胞にみられ、これらを介したNT作用の存在が示唆された。
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