本研究では悪性黒色腫細胞株を用いた検討により、膜蛋白質であるCD74とそのリガンドであるMacrophage migration inhibitory factor(MIF)の相互作用がAKTシグナルの活性化、インターロイキン(IL-)6やIL-8の分泌、抗アポトーシス蛋白BCL-2の発現に関与していることを同定すると共に、これらの作用がIFN-γ刺激によって増強することを示した。ステージⅢリンパ節転移検体では、MIFの発現例において予後が有意に不良であった。以上より、CD74とMIFの相互作用はIFN-γ刺激より腫瘍細胞が生存を計る上で重要な役割を果たしていることが示唆された。
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