皮膚有棘細胞癌組織パラフィン切片を遺伝子変異誘導蛋白AID(activation-induced deaminase)に対する抗体を用いて免疫組織化学を行った。97名の有棘細胞癌患者の中AIDが発現しているのは49症例であった。経過観察中再発症例では8症例全例でAIDが発現していた。リンパ節転移、肺転移例ではそれぞれ14、2症例全例でAIDが発現していた。これらの結果から、AID発現皮膚有棘細胞癌症例は予後が悪い可能性が示唆され、今後皮膚有棘細胞癌の予後を占うマーカーの1つにAIDが用いられることが期待される。
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