精神症状のみの軽減を目指した「寛解」だけでなく、社会的機能や幸福感の改善も含めた「回復」の脳機能基盤の背景を明らかにすることを目的とした。うつ状態の診断の補助に資する指標として、NIRSによる脳機能計測法が2013年に保険適応となったが、いまだ状態把握や予後予測に資する客観的・生物学的な指標は確立されていないため、縦断的研究により個人内の継時的変動を明らかにすることを目指した。 脳部位によって、特性依存的と状態依存的なNIRS信号がそれぞれ存在する可能性を示した。臨床応用には、さらなる検討が必要であるが、NIRSにより計測された局所脳機能が状態依存性に変動し、予後を予測する可能性が示唆された。
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