コカイン依存症動物モデルで予想される側坐核での細胞内システィンの欠乏からtRNAのチオール化抑制を予測し、それを触媒するMOCS3の発現量についてウエスタン法で検討したが、発現確認できなかった。またシスティンを合成の律速段階とするグルタチオンの量はコカインの影響を受けていなかった。メチオニンからのシスティン供給に関与する酵素についても活性をに有意な差を認めなかった。従って、慢性コカイン投与でシスチン-グルタミン酸交換体の機能障害が起きても、細胞内システィンの供給は代償されていると考えられた。一方、N-アセチルシスティンの急性投与は慢性コカイン動物でのシナプス構成タンパク質の分解を促進した。
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