研究課題
本課題の最終年度となる4年目の進捗実績を以下に記載する。1.新規症例の集積:口腔領域に非器質性慢性疼痛を有する患者4症例を新規に研究登録し、0週時点の血液及び各種評価尺度収集を行った。合計44症例が新規登録され、12週後、6ヶ月後、12ヶ月後時点でのデータ収集も順次行った(血液検体は0週と12週後のみ)。2.神経炎症関連物質:昨年度までに集積していた患者群48例および健常者群44例の血液検体について、各種神経炎症関連物質の血中濃度測定を行った。複数の特定候補物質についてエライザ法による追加解析も施行した。その結果、一部の血中炎症関連物質で患者群と健常者群との差異が見られ、患者群の治療前後の比較でもいくつかの物質で変化が認められた。以上の結果を第113回日本精神神経学会学術総会で共同演者として発表した。3.薬物血中濃度:抗うつ薬Duloxetineの疼痛軽減効果とその薬物血中濃度との間に有意な関連性がないことを示した英語論文を作成し、Clin Neuropharmacolに掲載された。4.温冷覚閾値測定:温冷覚閾値装置を用いて、口腔領域に非器質性慢性疼痛を有する28名の患者を対象に温冷覚閾値の評価を行った。その結果、年齢とともに冷覚閾値は低下し、女性および抑うつのない患者では冷覚閾値が高いという知見が得られ、第30回日本総合病院精神医学会総会で主演者として発表した。5.その他:口腔内慢性疼痛患者の臨床および研究の現状について、第42回日本口腔外科学会中部支部学術集会で共同演者として発表した。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)
Clin Neuropharmacol.
巻: 40 ページ: 163-168
10.1097/WNF.0000000000000225.