研究課題/領域番号 |
26860934
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小田 祐子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 特別教員 (70721265)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 双極性障害 / 脳磁図 / ASSR / 聴覚刺激 |
研究実績の概要 |
聴覚刺激における会話音処理には2~5Hzの複数振幅変調が複合した時間エンベロープの統合が重要であることが知られており、聴覚定常反応(ASSR)によって被験者のピッチ処理能力を計測できる。申請者は連続クリック音両耳刺激によるASSRを双極性障害に応用し、右半球のASSRパワーと位相同期度がともに低下していること報告した。しかし両耳刺激のため両側聴覚刺激野の神経細胞が活動してしまい、その異常が両半球性であるのか右半球単独であるのかは解明できていない。本研究では両耳、片耳刺激呈示により双極性障害の右半球異常を証明する。平成26年度では精神神経疾患のない健常成人を被験者としデータを計測した。これらのデータをもとに双極性障害患者の右半球異常性の病態解明をさらに発展させることができれば、将来的に症状判断に頼る現在の臨床現場において、双極性障害の客観的なバイオマーカーとしてのASSRが応用できることを目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画では、精神神経疾患のない健常成人を被験者の対象としてデータを集めることを計画とした。測定できた健常成人うち一部は、機器の状態不良、雑音などのため解析の対象にならなかった。解析できた少ないデータにおいては健常者では右のASSRが有意に大きいという結果が得られた。さらに被験者を集めて大きなデータに基づく解析を要する。
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今後の研究の推進方策 |
今度の研究の推進方策として、引き続き被験者の登録を行い、できるだけ多くの被験者を集める。健常者及び双極性障害患者にご協力を依頼する。ある程度データが集まったところで、解析を進め検証を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の研究とあわせておこなったこともあり予定よりも謝金がかからずにすんだ為翌年度の持ち越しとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
被験者の数は引き続き集める必要があり前年度よりもさらに登録者の数を増やすことを目指し、またその為に必要な物品購入や学会参加等を行う。
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