循環気質や発揚気質といった感情気質は、双極性障害の病前因子と考えられている。本研究は、感情気質を用いて双極性障害やうつ病を脳画像で弁別することを目的とした。双極性障害16名うつ病6名について、拡散テンソル画像を用いて白質の統合性と感情気質について検討した。 その結果、右の上縦束においてうつ病より双極Ⅱ型障害でFA値が高かった。循環気質、発揚気質どちらを共変量としても、上記と同じ右の上縦束の領域でFAが高かった。さらに、発揚気質は、うつ病と双極性障害との間で、脳梁右側のクラスタで有意な交互作用を持った。発揚気質は、脳画像におけるうつ病と双極性障害の弁別に有用である可能性がある。
|