研究課題/領域番号 |
26860938
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
千葉 悠平 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (50722500)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | NMDA受容体 / NMDA受容体脳炎 / 器質性精神疾患 / 精神免疫学 / 自己免疫性精神疾患 |
研究実績の概要 |
H28年度は、対象患者に対して、血液及び髄液からの抗NMDA受容体抗体を測定した。 72名の患者から、123検体で、抗NMDA受容体抗体を測定した。当初の目標では、100名からの抗体測定を予定していたので、概ね順調な進歩状況であると考えている。また抗体陽性者については、免疫療法を行い、現在治療後の評価を行っているところである。 研究実績の発表の場としては、DLB international conferenceで、「Four cases of probable dementia with Lewy bodies with anti N-methyl-D-aspartic acid type receptor antibodies.」をポスター発表した。第111回日本精神神経学会において、「ステロイドパルス療法により精神症状の改善を認めた、抗NMDA受容体抗体陽性精神疾患患者4例の臨床的特徴」をポスター発表。WPA Regional Congress OSAKA Japan 2015において、「Evaluation of titers of antibodies against peptides of subunit(NR1,NR2B) of glutamate receptor with enzyme-linked immunosorbent assaystudies in psychiatric patients with anti-thyroid antibodies.」を発表した。これらの発表は、難治性精神疾患患者に対するNMDA受容体抗体の測定の重要性を喚起し、精神疾患の自己免疫性の病態解明と治療法の開発について意義のある発表であると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目標例100例に対して、72名132検体を集めているので、当初の目的をほぼ達成していると考えている。特徴的な症例については、症例報告を行うなど質的検討も行っている。ほぼ順調な進捗状況と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
H28年度も抗体測定を継続しつつ、最終年度であるため、抗体陽性者陰性者の臨床的特徴のまとめを行う。また、免疫療法施行者に対しての治療の評価を行っていく。 学会発表、論文作成を行い、投稿、出版まで達成したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた国際学会への参加がなかったことにより、繰越金が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
当初よりH28年度には、国際学会への参加を予算としてあげているため、H27年度の繰越金(国際学会への参加費)は抗体測定にあて、登録症例数を出来る限り増やす。 繰越金以外のH28年度予算は、当初の予算どおりで、学会発表のための旅費、ポスター等作成費、論文作成の諸費用(英文校正、投稿費用)、雑費(文房具、書籍)を予定している。
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