気分障害の治療では、抗うつ薬によって誘発される躁転や攻撃性は患者の対人関係に影響を与える重大な問題となる。我々は抗うつ薬投与により誘発される躁転の病態を解析するために、気分障害様の行動異常を示す変異ミトコンドリアDNA複製酵素トランスジェニックマウスを用いて抗うつ薬imipramineの慢性投与下における行動解析を行い、本マウスが社会的行動と活動リズムの異常、imipramine投与初期における高い敵対性を示すことを明らかにした。また、imipramine投与が本マウスの社会的順位を低下させること、気分安定薬lithiumの低用量投与では予防効果が認められないことを示した。
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