本研究では、うつ病で炎症性サイトカインが上昇する機序やそれによる臨床症状の特徴を明らかにすることを目的に、うつ病患者による臨床的検討及び動物モデルによる検討を行った。 しかし、本研究の結果、うつ病患者では健常人と比較し、血液中炎症性サイトカインに有意な差を認めなかった。一方、酸化ストレスマーカーの上昇を認めた。 ほぼ全てのヒトに潜伏感染しているヒトヘルペスウイルス6 (HHV-6)の潜伏感染であるSITH-1を発現するトランスジェニック(Tg)マウスを作製した。このTgマウスは野生型マウスと比較し、うつ様行動を示した。しかし、SITH-1と炎症性サイトカイン上昇との関連は認めなかった。
|