本研究では、抗精神病薬であるリスペリドンあるいはパリペリドンを服薬中の統合失調症患者における脳内ドパミンD2/3受容体(D2/3R)占有率と、安静時機能的MRI(rs-fMRI)による顕現性回路(salience network, SN)内の脳領域を調べることで、D2/3R占有率に関係する脳領域を同定することを目的とした。独立成分分析により、rs-fMRIデータからSNが抽出された。抽出されたSNの構成領域である前頭皮質内側面、尾状核、前島皮質および視床の一部を関心領域とした灰白質容量とD2/3受容体占有率との関係を求めた。明らかにD2/3受容体占有率と相関のある脳領域は見いだせなかった。
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