うつ病患者(一人2回)24名、健常者(一人2回)20名に参加、協力頂いた。 経頭蓋直流刺激(tDCS)で1mAの陽極刺激を内側前頭前野(EEG10-10法でAFz)にうつ病患者と健常対照者を対象に、同様の陽極刺激を左背外側前頭前野(F5)にうつ病患者と健常対照者を対象に20分間行った。tDCSの前後に心理的な検査、課題処理、及び脳波測定を行った。またtDCS中にも脳波測定を行い、うつ病患者群、健常対照群、また刺激部位などによる比較を行った。 結果、うつ病患者群におけるF5刺激で、tDCS施行後に簡易な感情評価尺度(PANAS)におけるネガティブな感情が有意に減少したが、AFz刺激では有意差を認めなかった。 また、不安の評価尺度であるSTAIの変化とtDCS前の脳波によるcurrent density fieldの相関関係を調べたところ、特にうつ病患者、健常者対照群で結果に明らかな相違を認めた。 これらの結果は3rd International Conference on Basic and Clinical Multimodal Imaging(ECNS young investigator award受賞)、第27回日本臨床精神神経薬理学会、第47回日本臨床神経生理学会学術大会などで報告を行った。 論文としては、現在英語雑誌に2本投稿中である。今後さらに課題処理速度やtDCS中の脳波(LORETAなど)との関連を共同研究者達とデータの解析、考察を行っており、平成30年度中に数本の投稿を予定している。
|