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2015 年度 実施状況報告書

脳内Ant1機能改変マウスを用いたミトコンドリア機能障害と双極性障害の関与の検証

研究課題

研究課題/領域番号 26860956
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

加藤 智朗  国立研究開発法人理化学研究所, 脳科学総合研究センター, 研究員 (40598439)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードミトコンドリア / 精神疾患 / モデルマウス
研究実績の概要

Ant1遺伝子の成体マウス神経機能における役割を調べるため、Ant1 floxマウスとnestin-Creマウスを掛け合わせ、神経系特異的Ant1コンディショナルノックアウト (cKO) マウスを作製して行動実験を行った。インテリケージと呼ばれる集団飼育下での行動を評価できる装置を用いてこのマウスの性質を調べたところ、空間記憶学習、恐怖記憶学習、注意力、焦燥に異常は見られなかったが、サッカリン水を報酬とした報酬遅延割引課題における衝動性は抑制される傾向が示された。そこで、さらに詳細に性質を調べるために5-choice serial reaction time task(5-CSRTT)を行うと、このマウスではomission trial (脱落試行)の回数が多く、正しい反応をした試行における反応時間が長い一方で、誤答の割合は低下する傾向を示した。この試験で、衝動性の指標として用いられるpremature nosepokeは低下傾向にあったが、有意ではなく、この変異マウスではcognitive impulsivity(認知的衝動性)がmotor impulsivity(運動衝動性)以上に顕著であると考えられる。衝動性や報酬探索行動の変化が見られたことからドーパミンやセロトニンの機能に異常があるのではないかと考え、脳内のモノアミン量を測定したところ、側坐核においてセロトニンやドーパミンの代謝活性が亢進している事が示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度の研究によって、さらなる行動表現型として現れるモデルマウスの性質が明らかになり、それら行動異常に側坐核でおける神経伝達物質の代謝変化が関連しうる事を示した。
当初予定していた行動異常に関わる脳領域の特定は達成した。

今後の研究の推進方策

モノアミン代謝の変化の原因になった分子変化を明らかにしたい。

次年度使用額が生じた理由

今年度明らかにしたかった分子メカニズムを探る実験まで完了しなかった。

次年度使用額の使用計画

抗体の購入費等に使用する予定。

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公開日: 2017-01-06  

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