本研究は脳内ヒスタミンH3受容体(H3R)密度と認知神経機能の関連性を解明することを目的とした。健常者男性10名を対象にPET検査と機能的MRI(fMRI)検査を行った。PET検査では、新たに開発されたH3Rのリガンドを用いることで、脳内H3R密度を測定した。また、認知神経機能に関する神経回路を特定するため、fMRI検査では作業記憶課題遂行中の脳活動を計測した。PET検査で得られたH3R密度のデータと、fMRI検査で得られた脳活動データを併せて探索的に解析することで、前頭葉の作業記憶に関わる領域の脳機能とH3R密度が関連することが明らかとなった。
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