研究実績の概要 |
アルツハイマー型認知症でNIMH基準のうつを満たす患者および介護者4組を実刺激群2組および偽刺激群2組にコンピュータを用いランダムに割付した。tDCS(anode: 左DLPFC/C3, cathode:右眼窩上, 5cm×7cm)を1回30分、週5回、3週間施行した。評価者及び本人・介護者は盲検、刺激実施者のみ非盲検であった。主要評価項目である安全性については有害事象による脱落は両軍で見られなかった。また12項目のシステマティックな評価を行った。偽刺激と比較して実刺激群では頭皮痛、ヒリヒリ感の発生が有意に高かったが、その他の有害事象では有意な差を認めなかった。またいずれの有害事象の発生時も治療介入の必要性は見られなかった。そのため経頭蓋直流電気刺激の施行は安全に行うことができると結論した。効果に関する評価尺度(CSDD, NPI, GDS, MMSE)については、サンプル数の小ささから現段階では有意な差を認めなかった。引き続きリクルートメントを継続し、サンプル数を増やす予定である。
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