統合失調症の認知機能障害の背景に視覚処理能力障害が関わる。本研究では、視覚処理能力トレーニングプログラム(VBMプログラム)を開発し、その効果と安全性を調べることを目的とした。 外来通院中の統合失調症の方を対象として、開始4週前、初回セッション時、終了時、終了6週間後に精神症状、認知機能、表情認知などの評価した。VBMプログラムは全20回実施した。修了者4名の結果を解析したところ、終了6週間後に注意機能課題の成績が、開始時ならびに終了時に比べ有意に向上していた。少数例ではあるが、VBMプログラムの認知機能に対する改善効果が介入終了後に遅延して波及する可能性が示唆された。
|