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2014 年度 実施状況報告書

細胞外マトリックス構成分子を標的とした動脈硬化症診断用核医学診断剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26860961
研究機関北海道大学

研究代表者

志水 陽一  北海道大学, アイソトープ総合センター, 助教 (90634212)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード核医学 / 動脈硬化
研究実績の概要

動脈硬化の臨床画像診断において、動脈硬化の根幹的原因である動脈内のプラークの不安定性を高精度に診断することが求められており、不安定プラークを特異的検出可能な分子プローブの開発が切望されている。そこで本研究では、動脈硬化病変のプロテオーム解析により、動脈内プラーク形成とともに発現増加が疑われた細胞外マトリックスタンパク質であるThrombospondin-4(TSP-4)に対する新規SPECT用分子イメージング剤を創製し、不安定動脈硬化プラークの診断に適した核医学分子イメージング法の確立を目指すこととした。本目的の達成を目指し、平成26年度は以下の検討を行った。
まず、TSP-4に対する抗体に、6-Hydrazinopyridine-3-carboxylic acid(HYNIC)を導入した。次に、HYNIC導入TSP-4抗体と99mTc-Tricineを反応し、99mTc-HYNIC anti-TSP4-mAb (99mTc-HTA)を得た(放射化学的収率:17.6%、放射化学的純度:99.5%)。比較対照として抗TSP-4抗体と同じサブタイプのネガティブコントロール抗体についても同様の方法で99mTc標識した(99mTc-HNA)。得られた99mTc-HTAについて、マウス血漿中での安定性について確認したところ、24時間後まで98%以上未変化体で存在することを確認した。そこで、99mTc-HTAおよび99mTc-HNAを動脈硬化モデルマウス(ApoE KOマウス)および正常マウスに尾静脈投与し、投与24時間後に各臓器への放射能分布並びに大動脈のARG撮像を行った。その結果いずれの薬剤も正常マウス大動脈と比較してApoE KOマウス大動脈へ有意に高い集積を認めるとともに、その集積は動脈内プラーク形成部位に局在することを認めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究での目的であるThrombospondin-4(TSP-4)に対する新規SPECT用分子イメージング剤を創製しており、in vivo検討において病変特異的な集積に関する評価についてはさらなる検討が必要なものの、動脈硬化病変への集積を認めたことから、本研究はおおむね順調に進展しているものと考えられる。

今後の研究の推進方策

平成26年度に作成した99mTc-HTAの動脈硬化病変描出能について、他のモデル動物(WHHL Rabbitなど)を用いてより詳細に検討する。また、99mTc-HNAの動脈硬化病変への非特異的集積に関するメカニズムについて、その集積局在と周辺細胞との関連性をin vitroレベルで解明する。

次年度使用額が生じた理由

平成27年4月より代表研究者が大学院薬学研究院へ異動することに伴い、本研究を遂行する上で新たに小動物用麻酔装置の購入が必要となり、本購入財源として確保したため次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

主な機器としては小動物用麻酔装置の購入、並びに新規薬剤の創製に必要となる抗体、放射性同位元素(99mTc)、その他反応用消耗品、細胞培養試薬、染色試薬、動物等の購入、本研究で得られた知見の外部発表(学会発表等)に本財源を充てる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 動脈硬化病変への免疫グロブリンG 集積機序の探索:動脈硬化診断用薬剤開発への応用に関する基礎的検討2015

    • 著者名/発表者名
      志水 陽一、半澤 宏子、趙 芫、福良 沙霧、西嶋 剣一、坂本 健、趙 松吉、玉木 長良、久下 裕司
    • 学会等名
      日本薬学会第135年会
    • 発表場所
      神戸サンボーホール(兵庫県・神戸市)
    • 年月日
      2015-03-25 – 2015-03-28

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公開日: 2016-06-01  

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