研究課題
動脈硬化病変の画像診断においては、早期治療を必要とする“破綻しやすいプラーク”を高精度に診断することが求められており、不安定プラークを特異的に検出可能な分子プローブの開発が切望されている。そこで本研究では動脈硬化病変のプロテオーム解析により、動脈内プラーク形成に伴い発現増大が認められた細胞外マトリックスタンパク質であるThrombospondin-4(TSP4)に対する新規SPECT用分子イメージング剤を開発し、不安定動脈硬化プラークの診断に適した核医学イメージング法の確率を目指した。本目的を達成するため、平成27年度は下記の内容について検討した。平成26年度に創製したTSP4に対するSPECT用分子イメージング剤99mTc-TSP4-mAbおよび比較対照として、抗TSP4抗体のコントロール抗体を99mTc標識した99mTc-NC-mAbについて動脈硬化モデルであるApoE欠損マウスにおける体内動態について評価したところ、いずれも正常マウスと比べて大動脈への集積量が高く、オートラジオグラフィー法により動脈硬化病変に集積していることを認め、その集積はマクロファージ浸潤部位と類似していることを見出した。そこで、次に99mTc-NC-mAbについてマクロファージの極性化状態と集積量の関係について評価したところ、炎症惹起性細胞であるM1マクロファージにおいて高集積することを見出した。
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