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2014 年度 実施状況報告書

コーンビームCTを用いた線量誘導放射線治療技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26860965
研究機関北海道大学

研究代表者

高尾 聖心  北海道大学, 大学病院, 助教 (10614216)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードコーンビームCT / 陽子線治療
研究実績の概要

陽子線治療装置に搭載されたCBCT撮影機能を用いた線量誘導放射線治療のための各種検討を行うに先立ち、CBCT基本性能確認を実施した。画質定量評価ファントムを用いて空間分解能、コントラスト分解能等、均質性等の要素性能を評価し、CBCT撮影機能の基本性能を掌握すると共に、以降の検討における達成目標を明確化した。また、各種人体ファントムを用いた総合的な画質評価を通して、臨床利用を想定した最適なCBCT撮影条件の検討を行った。さらに、CBCTを用いた患者位置決めに必要となる6軸駆動型ロボットカウチの動作精度検証を実施した。以上により、陽子線治療装置搭載型CBCT装置の有用性および安全性が確認され、臨床利用の開始に向けて大きく前進した。
また、高度CBCT撮影技術開発として、二系統のX線撮像系を用いた二軸撮影によるCBCTの時短撮影(fast scan)の基本検討を行い、実機を用いてその有効性を評価した。その結果、通常のCBCT撮影と比較して約半分の時間でCBCT画像の取得が可能であることが示された。一般にCBCTの欠点とされる撮影時間の大幅な低減が実現し、CBCTの臨床的利用価値を高める成果としての意義は大きいと考えられる。再構成された画像は空間的歪み等も見られず、通常の撮影時と同等の空間分解能が得られた。一方で、同時曝射による散乱線の影響によりCT値の定量性が低下するなどの課題が明らかとなり、今後の更なる改善の方向性が見い出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

最終目標であるCBCTを用いた線量誘導放射線治療の実現に向け、初年度実施予定の基礎検討が概ね計画通りに実施されたため。

今後の研究の推進方策

初年度の基礎検討結果を踏まえ、CBCTを用いた線量誘導放射線治療の実現に向けた検討を行う。具体的には、線量誘導位置決めのための要素技術開発として、CT画像を用いた位置ずれに対する陽子線飛程変動の感度評価技術開発、飛程変動を考慮した最適位置合わせ法の検討を行い、線量誘導放射線治療の実現に向けた基礎技術を構築する。これらの開発技術を組み合わせることで線量誘導放射線治療の概念を構築し、その有効性を評価する。

次年度使用額が生じた理由

初年度予定していた物件費について、当初の想定よりも低価格での購入が可能であったため。

次年度使用額の使用計画

購入を予定している物品について、次年度使用額を合算した予算での購入を前提に仕様等の見直しを行い、過不足なく執行する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Commissioning of the On-board Cone-beam CT System Equipped on the Rotating Gantry of a Proton Therapy System2014

    • 著者名/発表者名
      S. Takao, S. Shimizu, N. Miyamoto, T. Matsuura, C.Toramatsu, H. Nihongi, T. Yamada, K. Matsuda, T. Sasaki, Y. Nagamine, R. Baba, T. Umekawa, K. Umegaki, H. Shirato
    • 学会等名
      2014 AAPM Annual Meeting
    • 発表場所
      Austin Convention Center (Austin, USA)
    • 年月日
      2014-07-20 – 2014-07-24

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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