研究課題
これまでの動物実験から候補となった高分子ゼラチン(RM-100HS)の中濃度溶液(1gの高分子ゼラチンを4ccの生理食塩水で溶解したもの)が病理学的にも安全なスペーサーとなりえること、スペーサー自体もday21まで形状を維持していることが確認でき、スペーサーとしての機能を十分持ち合わせていることも再度証明できた。またこれまでゲルを挿入したマウスのday60を確認したところスペーサーはほぼ吸収されており、マウスに目立った異常反応は認めなかった。このことからも従来目指した経皮的に挿入可能な体内吸収型のスペーサーとして十分に活用が可能であることが証明された。本年度では臨床応用のためこれまでに当施設で腎腫瘍に対し定位放射線治療を行った症例のCTを元に、腫瘍径や消化管と腫瘍との距離と消化管被曝線量についての解析を行い、呼吸性移動距離と安全に照射可能な消化管と腫瘍との距離を求める数式を求めた。この結果は放射線腫瘍学会学術大会やそのほかの研究会にて口頭発表を行い、国内外の専門家とディスカッションを行った。高い評価と期待が得られたが、Augmenix, Inc製のSpaceOARハイドロゲルが国内でも放射線治療時のスペーサーとして認可された。SpaceOARハイドロゲルは今回の研究した素材とほぼ同等の効果が得られるが、今回のゼラチンよりも安定性が高く、放射線治療にはより有効性が高いことが研究データから明らかとなった。以上より現在、薬事認可されている前立腺癌の治療以外への応用を目的とした臨床研究をSpaceOARハイドロゲルを利用して行うこととしてプロトコルを作成し、当施設倫理委員会に申請している。
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