最終年度においては前年度にAG01522細胞の発育等に懸念が生じていたため、繰り返しバイスタンダー効果の発現を中心に再現性を確認した。照射及びバイスタンダー効果におけるDNA損傷の定量化について、蛍光免疫染色したサンプルの解析ソフト(MetaMorph)を用いた条件の最適化を進めた。53BP1及びその他のDNA修復タンパク質についてfoci数を中心に解析ソフトと手動カウントを比較解析することで条件設定を行った。また、当該分野の最新の知見を得るため、学会等に参加して情報収集を図った。 研究期間全体においてはAG01522細胞やHTB-94細胞を主とした照射及びバイスタンダー効果の実験系についてまず当施設における照射及びバイスタンダー効果の実験系の確立ができた。さらに、照射及びバイスタンダー効果について53BP1を中心にその他のタンパク質についても蛍光免疫染色の染色条件の条件設定を行い、染色したサンプルにおいて画像解析ソフトも用いたDNA損傷の定量化の手法の最適化を行った。セラミドの蛍光免疫染色について染色条件の条件設定を行い、さらにその定量手法などについて知見を得ることができた。これらから、当初の目的とした非DNA損傷による細胞障害機構におけるセラミドの関与について基礎的な知見が得られたと考える。また、同領域における総説論文が掲載された。また、当該分野の最新の知見を得るため、学会等に参加して情報収集を図った。
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