研究課題/領域番号 |
26860978
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
岡本 雅彦 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10451725)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 重粒子 / 炭素イオン線 / 膵癌 / Gemcitabine / 化学放射線治療 |
研究実績の概要 |
平成26年度に膵癌細胞株Panc-1を用い、Gemcitabineの低容量を断続的に暴露させることによって、Gemcitabine抵抗性をもつPanc-1XRを樹立した。このPanc-1XRはX線には抵抗性を示したが、炭素イオン線には明らかな抵抗性を示さなかった。 そのため、平成27年度は炭素イオン線を用いて、炭素イオン線抵抗性株の樹立を試みた。しかし、炭素イオン線は加速器の都合上、照射できるタイミングが2週間に1回と限定的であり、条件を変更するのにも時間がかかる。条件を変えながら抵抗性株の誘導を試みたが、結果的に炭素イオン線抵抗性株を樹立することはできなかった。そのため、本研究期間の延長を申請し、これを受理いただいた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先述のように炭素イオン性抵抗性株の樹立が遅れていることがその理由である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方法としては、炭素イオン性抵抗性株Panc-1CRの直接の樹立は断念し、先に樹立したX線抵抗性株Panc-1XRとwild typeのPanc-1のmicro RNAプロファイル発現の解析にとりかかる。X線抵抗性の基本的原則はX線によるDNA 二重鎖切断の修復がその機序と考えられ、重粒子線抵抗性とも繋がるものである。すなわちX線抵抗性の由来となっているシグナルを増強することで、炭素イオン線抵抗性をも確認できるものと考える。今年度の前半で発現プロファイルの解析と、ターゲットとして想定された数種類のmicroRNAの導入によりまずは人為的なX線抵抗性株の再現を得、後半はその細胞を用いて重粒子線抵抗性の検証を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述の通り、研究計画が当初の予定より遅れているのがその理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
前述のごとく、計画を若干修正し、本年度内に使用する予定である。使用用途としては試薬、培地、microRNAの調整等の実験基材の購入が主である。
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