膵癌細胞での重粒子線治療抵抗性に対するmicroRNAの関与の解析

2016 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 26860978
• 研究機関: 群馬大学
• 研究代表者: 岡本 雅彦 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10451725)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: microRNA / 放射線治療 / 膵癌

研究実績の概要

放射線抵抗性株Panc-1XRをGemcitabineの繰り返し暴露によって作成した。このPanc-1XRとwild typeのPanc-1のmicroRNAを比較、検討し、放射線抵抗性に関与していると考えられるmicroRNAの候補を絞り込んだ。最終的に残ったhsa-miR-34a-5pを発現されるプラスミドを含むベクターをtransfectionさせ、Panc-1-mir34aOEという細胞株を作成した。この細胞は放射線に対して感受性を示し、より少ない量の放射線により死滅する結果が得られた。
上記の結果より、microRNA hsa-miR-34a-5pが膵癌細胞 panc-1において放射線の抵抗性に関与している可能性が示された。mir-34aはcancer stemnessに関与するSnailやMsi1をターゲットにすることが知られており、今後はより詳細な細胞シグナルの解析や、cancer stem cell関連の性質の確認（RT-PCR,FCM）、重粒子線照射のデータを追加し、論文化する予定である。