本研究において研究者は、重粒子線治療を行う際の有害事象発生リスクの低減を目的として、腫瘍とリスク臓器との間に外科的に間隔を空ける手術、いわゆる「スペーサー手術」の実際の症例からその安全性・有用性を解析するとともに、新たなスペーサー素材や手法の開発に取り組んだ。 群馬大学で実施されたスペーサー手術の16例を解析し、これまで全例で安全に実施可能であり、リスク臓器を腫瘍から十分に離すことが可能で、重粒子線治療を行ううえで有効なオプションであることが、国際的にも初めて報告された。また、放射線科のニーズを外科と共有するツールを創生し、スペーサー手術が今後汎用化されるための一手法を開発できた。
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