研究課題
化学放射線療法を中心とした膀胱温存療法を施行した浸潤性膀胱癌症例では、化学放射線療法に対する治療感受性が生命予後を規定する。本研究の前実験として、化学放射線療法を施行した浸潤性膀胱癌症例の診断時生検標本を用い、免疫組織染色を行い、ERBB2の過剰発現が化学放射線療法に対する治療抵抗性および不良な生命予後と関連することを報告している(Inoue M et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2014)。本研究ではERBB2を標的とし、浸潤性膀胱癌の化学放射線療法に対する治療抵抗性を克服することを目指し、研究を行っている。平成26年度までに①ERBB2阻害剤であるtrastuzumabと比較し、HSP90阻害剤であるganetespibは、膀胱癌細胞株において、より低濃度で殺細胞効果が得られることを確認し、②膀胱癌細胞株マウス皮下移植モデルにおいて、ganetespib併用化学放射線療法はganetespib単独あるいは放射線治療単独と比較し、より良好な治療効果が得られることを確認した。平成27年度は、膀胱癌細胞株マウス皮下移植モデルを使用し、trastuzumab、ganetespibを併用した化学放射線療法の治療効果を比較検討することを予定していたが、動物実験センターに設置されていたX線照射装置が故障し、修理不能となったため、当初の予定どおりに実験を遂行することが不可能であった。化学放射線療法を施行した浸潤性膀胱癌症例の診断時生検標本を用い、ERBB2およびKi-67の免疫組織染色を行い、化学放射線療法に対する治療抵抗性を予測するモデルを作成し、報告した。
4: 遅れている
膀胱癌細胞株マウス皮下移植モデルを使用し、trastuzumab、ganetespibを併用した化学放射線療法の治療効果を比較検討することを予定していたが、動物実験センターに設置されていたX線照射装置が故障し、修理不能となったため、当初の予定どおりに実験を遂行することが不可能であった。
動物実験用のX線照射装置が使用できなくなったため、今後はin vitroでtrastuzumabおよびganetespibを併用した化学放射線療法の治療効果を比較検討することを予定している。
膀胱癌細胞株マウス皮下移植モデルを使用し、trastuzumab、ganetespibを併用した化学放射線療法の治療効果を比較検討することを予定していたが、動物実験センターに設置されていたX線照射装置が故障し、修理不能となったため、当初の予定どおりに実験を遂行することが不可能であった。それに伴い実験に使用するマウスおよび消耗品にかかる費用が当初の計画よりも少ないものとなった。
細胞培養容器・培地、各種アッセイキット、各種抗体などの消耗品、学会参加の旅費、論文投稿費用としての使用を予定している。
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