研究課題/領域番号 |
26860986
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
井上 大 金沢大学, 大学病院, 助教 (00645129)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | IgG4関連疾患 / CT / MRI / FDG-PET |
研究実績の概要 |
全身疾患IgG4関連疾患に対してCT,MRI,FDG-PET等の画像検査を用いた各症例の罹患臓器分布,再発の有無,悪性腫瘍等の合併の有無,頻度を明らかにし,血清IgG4,IgG値等の臨床情報を加味して全身疾患としての病態を解明することを目的に研究を行った. 1.平成26年度の計画としてIgG4関連疾患の確定診断症例200例の収集と個々の症例に対して行われた全ての画像データの収集,臨床データの収集によるデータベースの作成を計画,実行した.確定診断症例の症例数は集積された個々の症例に対し,神戸大学病理部全 陽先生のご協力のもとで金沢大学放射線科,病理部にて再評価を行い,目標としていた確定診断症例200例を集積することができた. 2.上記で作成した個々の症例に対して初診時,経過中の全ての画像データを匿名化したDICOM dataで集積を行い,こちらも収集は完遂することができた.臨床情報については合併症や血清IgG4値等のデータの集積は完遂できたものの再発時のデータについては半数の100症例程度にとどまっている.また再発リスクとしてステロイド初期量,漸減方法について各症例につき,電子カルテベースで調査を行っているためこちらも100例程度のデータのみの集積にとどまっている.
この現状において平成26年度は初診時,再発時の罹患臓器分布と血清IgG4値等の臨床データ合併症については全体像の把握ができ,個々の症例の画像解析,再発のリスクファクター等の追加解析のためのデータベースを完成することができた.またH26年度に得られたデータをもとに病態解明の一環として下記論文として発表した.またその過程において関連学会において教育講演,シンポジウム等で発表し,和文雑誌にも関連項目を執筆した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は平成26,27年度の2年間での計画であり,初年度である平成26年度に関してはIgG4関連疾患の確定診断症例の収集,データベースの作成が研究の中心となっていたが目標症例数の確定診断症例を集積,データベース化することができた.さらに個々の症例の臨床データ(年齢,性別,血清IgG4,IgG値,主訴など)も集積が予定通り完了した.画像データも集積が進み,集積されたものから順次,画像所見の解析を開始できているため. 上記の如く症例集積,臨床情報,画像データの集積が予定通り進行し,不足しているデータ(再発頻度,ステロイド治療内容など)についても症例データベースの作成が完成しているため,今後順調に集積できる見通しが立っている.
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今後の研究の推進方策 |
H27年度についてはH26年度に作成した症例データベースに現在不足している臨床データ(再発形態,頻度,ステロイド治療内容など)を順次補完し,データベースの完成を目指す.また集積の完了した画像データを初診時,経過中,再発/増悪時等に分類し,個々の画像所見の解析を進め,IgG4関連疾患の初発形態,再発/増悪形態の画像所見に基づいた把握をするとともに,再発/増悪を予見できる画像所見の抽出を行う予定としている.
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次年度使用額が生じた理由 |
症例データベース作成の際に金沢大学放射線科関連病院のみで順調に症例が集まったこと、各関連病院でIgG4,IgG等の免疫染色がすでに施行されていた症例が多かったため、追加免疫染色の必要な症例が少なくすんだことが理由として考えられる。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額分に関しては再発リスクを考える際に病理学的な線維化の程度の評価をする予定であり、アザン染色を追加する費用として、また海外学会、国際誌への論文発表の際の英文校正費用等に使用する予定をしている。
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