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2016 年度 実績報告書

癌関連アミノ酸トランスポーターsystem ASC・N特異的腫瘍診断用薬剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26860988
研究機関長崎大学

研究代表者

西 弘大  長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (10719496)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードアミノ酸トランスポーター / System N / ヒスチジン / ヨウ素標識
研究実績の概要

腫瘍細胞で高発現が確認されている癌関連アミノ酸トランスポーターのsystem ASC、system Nに親和性を示すアミノ酸の探索を行った。System ASCに特異的な親和性を示す物質の発見には至らなかったが、天然アミノ酸および既知の阻害剤の組み合わせによってsystem ASCの寄与の算出に成功した。System Nについてはヒスチジンの輸送への関与が判明した。探索した天然アミノ酸および既知阻害剤の情報をもとに、これまで不明であった輸送体の寄与を簡便な計算で算出するスクリーニング系を開発し、化合物の輸送特性を評価を可能にした。
細胞内輸送にsystem Nの関与が示されたL-ヒスチジンは、system Nを標的とした新規腫瘍診断用放射性薬剤の母体化合物として有望であると判断し、L-ヒスチジン誘導体に放射性ヨウ素を標識した化合物の生成を試みた。反応試薬や反応時間、濃度、分離精製法などの各種条件を詳細に検討した結果、標識率が約80%、放射化学的純度が98.6%以上の125I-iodo-L-Histidine(125I-L-IH)の精製に成功した。
この化合物の科学的安定性や代謝安定性を確認するため、CytochromeP450(CYP)の活性を測定する方法を検証した。さらに、125I-L-IHの輸送に関与するトランスポーターを細胞実験レベル、および動物実験レベルで確認した。125I-L-IHはその大部分がsystem Lによって細胞内に輸送されてしまうものの、腫瘍細胞の種類によっては10~15%程度の寄与が確認された。
ヨウ素のような大きい原子を標識することで、母体化合物が有した特異的な輸送特性は消失する傾向にあることが推測される、そのため、11Cや13NなどのPET用核種を用い、化学形を変えずに標識することが今後の課題である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Difference in accumulation and the transport mechanism of L- and D-methionine in high- and low-grade human glioma cells2016

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi M, Mizutani A, Nishi K, Nakajima S, Shikano N, Nishii R, Fukuchi K, Kawai K
    • 雑誌名

      Nuclear Medicine and Biology

      巻: 44 ページ: 78-82

    • DOI

      10.1016/j.nucmedbio.2016.09.003.

    • 査読あり
  • [学会発表] 脳腫瘍細胞におけるD-methionineの集積生と集積機序の検討2016

    • 著者名/発表者名
      稲川耕平、丹羽隆博、西 弘大、小林正和、川井恵一
    • 学会等名
      第56回日本核医学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県・名古屋市)
    • 年月日
      2016-11-03 – 2016-11-05

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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