本研究は、熱応答凝集性ポリマーを用いる新規内用放射線治療法の開発を目的として、熱により凝集するポリオキサゾリン誘導体およびその放射標識体を合成し、それらの熱応答性を評価するとともに、担がんマウスにおける生体内組織分布評価実験を実施した。その結果、側鎖にエチル基およびイソプロピル基を持つヘテロポリオキサゾリン(約20 kDa)は、凝集温度が39℃であり、瞬時に凝集することを示した。また、Colon26細胞を移植した担がんマウスにおいて、腫瘍へは一定の集積を認めた一方で、正常組織からは速やかにクリアランスされることを示した。今後は加温による腫瘍集積性の変化について詳細に検討する予定である。
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