本研究の目的は、腹部CT画像を逐次近似法(IR)を用いて再構成した場合に、従来のフィルタ補正逆投影法(FBP)を用いて再構成した画像と比較して診断能を低下させない範囲で、どの程度まで線量を低減できるかを検討することである。 ファントムを用いて放射線科医による診断能を検討したところ、同じ線量で撮影した画像で比較するとFBPとIRで診断能に差を認めなかった。通常線量で撮影してFBPで再構成した画像と比較すると、半分の線量で撮影してIRで再構成した画像では有意に診断能が低下した。IR法を用いても、線量を過剰に低下させると診断能の低下を招く可能性がある。
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