研究課題/領域番号 |
26860997
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
赤坂 浩亮 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (20707161)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | スペーサー / 放射線治療 / 還元型CoQ10 / 粒子線治療 / 腸管防護 |
研究実績の概要 |
本研究は放射線・粒子線治療において従来は腸管等との位置関係のために根治線量を処方することが困難であった膵臓がん等の深部がんの放射線治療に対して、(1) 独自に開発した吸収性スペーサーを用いて治療時のみ腫瘍と腸管の距離・空間を創造し、(2)さらに経口投与で十二指腸や少量の還元型コエンザイムQ10 等の抗酸化物質を投与し、膵臓がんの放射線治療の際の危険臓器(Organ at risk: OAR)である腸管の内部・外部からの線量と影響を低減させるハイブリッド腸管防護法を高精度放射線治療に融合させ、難治がんに対する次世代の新規治療法を提案することを目的としている。 申請者のグループと共同研究を行っている名古屋市立大学の津田洋幸教授のグループが作成し、日本クレアにて系統維持している遺伝子組み換えラットを用い、当該ラットの胆管にアデノウイルスを注入し、膵がんが自家発がんするか否かの検討を行った。 また、ラットに埋植する吸収性スペーサーにも改良を加えた。随時、ラットにスペーサーを埋植、長期間観察し、生化学検査、血球検査、病理学的検査によってスペーサーの安全性試験を行った。 放射線腸管防護剤として使用する還元型CoQ10の評価をマウスを用いて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
遺伝子組み換えラットの胆管に注入するアデノウイルスの作成に苦慮している。アデノウイルスを注入した遺伝子組み換えラットでは、膵がん発生が僅かながらも確認されたものもいたが、アデノウイルスの安定供給が難しく、未だ膵がん発生の十分な再現性が確認されていない。スペーサー、還元型CoQ10に関する検討においては、少しの遅れで進行している。平成27年度もアデノウイルスの安定供給を目指し、膵がん発生を確認することを前提とし、スペーサー、還元型CoQ10を併用した放射線治療時の新規腸管防護法の検討を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
アデノウイルスを常時増やし続け、安定的に遺伝子組み換えラットの膵がん発生を確認する予定である。次にスペーサー、還元型CoQ10を用いて、新規腸管防護法の効果の検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アデノウイルスの増殖が容易でなく、計画より少ない匹数の遺伝子組み換えラットの使用となったため。これに伴い、当該ラット購入費用、当該ラット飼育費用にも差異が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
計画通りの当該ラット匹数を使用する予定である。
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