研究課題
小径腎癌における凍結療法の治療成績は比較的良好であるが、弱点としてheat-sink effectがある。腎門部など大きな血管近傍では血流により局所温度が上昇するため至適な凍結温度に至らず治療が不十分となりやすい。そこで、腎動脈を閉塞することでheat-sink effectを軽減できるのではないかと考えた。本研究では、動物実験を用いて、腎動脈閉塞下凍結療法の有効性及び安全性について検証する。その中で、種々の塞栓物質を用いた塞栓術やバルーン閉塞などの腎動脈閉塞法を比較し、より効果的で安全な方法を模索する。現在以下の基礎研究を進めつつある。Ⅰ.適切な動脈閉塞法の検討:正常豚4頭を用いて下記の基礎研究を行う。1)腎動脈を種々の方法で閉塞した状態で腎門部腎実質の凍結療法を行う、2)凍結療法後の病理組織像及び凍結療法時の画像所見を比較検討する。動脈閉塞法は以下の3方法とした。①Degradable Starch Microsphere (DSM)(スフェレックス)を用いた腎動脈閉塞、②ゼラチンスポンジ(スポンゼル)1㎜角を用いた腎動脈閉塞、③バルーンカテーテルによる一時的腎動脈閉塞。上記3方法を用いた腎動脈閉塞を2腎ずつ行い(計6腎)、残り2腎は動脈閉塞なしとする。1腎につき腎門部において頭尾側の2箇所に凍結療法を行う(計16箇所)。凍結療法の数時間後に腎臓を摘出し病理学的標本を作製する。病理学的検討として①凍結療法による壊死範囲、②大きな血管周囲の壊死の程度、③腎門部血管、腎盂の障害の程度、④凍結部位周囲の虚血性障害の程度と範囲について検討する。
4: 遅れている
出産育児のため、研究を一時中断している
本年6月より研究を再開する
研究代表者の出産育児のため、研究を中断していたが、本年度再開するため
予定の動物実験を行う
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Minim Invasive Ther Allied Technol
巻: 25 ページ: 57-61
10.3109/13645706.2015.1075557.