難治癌のひとつである食道癌の生存率向上と、化学放射線治療後に問題となる晩期心呼吸器有害事象低減に貢献する有効かつ安全性の高い放射線治療の確立を目指すために、強度変調放射線治療技術と画像誘導放射線治療技術を駆使した最新高精度放射線治療法を開発研究した。まず、食道壁の移動量を評価し、自由呼吸下では大きく動き個人差も大きい一方で、呼気息止め下では移動量は小さく個人差も小さいことが分かった。また、最適な放射線治療の計画シミュレーションを行い、各リスク臓器(心臓、胸膜、脊髄など)への線量制約を含む最適な放射線治療計画を検討した。以上の検討を踏まえ、食道癌に対する強度変調放射線治療の臨床応用を開始した。
|