研究課題/領域番号 |
26861007
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
大野 剛 熊本大学, 生命科学研究部, 助教 (20646971)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ビームモデリング / CBCT / 画像再構成 |
研究実績の概要 |
1. コーンビームCT のモンテカルロシミュレーションによるビームモデリング kV-CBCTのヘッド構造はEGSnrc/Beamnrcモンテカルロシミュレーションコードを用いてモデリングした.OBIにおいては,PDDは計算値と測定値は3%以内で,OCRは5%以内で一致した.同様にXVIにおいては,PDD とOCRはともに10%以内で一致した.XVIにおいては,OBIに比べて計算値と測定値の差が大きくなった.半価層はOBI 125 kVで4.8 mm,XVI 120 kVで7.2 mmであり,診断用CTでは80 kVで6.3 mm, 100 kVで7.7 mm, 120 kVで8.7 mmであった.この結果より,kV-CBCT,特にOBIは診断用CTに比べて,実効エネルギーが低いことがわかった.よって,kV-CBCTの画質改善にはエネルギーが低いことによるカッピングの補正と散乱線の影響を除去することが必要である.今後の研究では散乱線の影響をモンテカルロシミュレーションで詳細に分析し,それに基づいたフィルタリング処理を作成する予定である. 2. コーンビームCT 画像の散乱線除去法の開発 現在,OBI及びXVIの検出器をモデリングし,CBCT画像における散乱成分の計算を行っている.また,並行して,CBCT画像の再構成プログラムも作成中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初期目標である,CBCTのモデリングに関しては予定通り終了した. またCBCTの散乱線成分の計算に関しては,予測より計算時間がかかってはいるが,おおむね順調に計算を行っている.ファントムを用いた基礎的実験も散乱線の計算が終わり次第,計算できるように画像の取得等は終了している.一方,平成27年度の目標である画像再構成プログラムの作成を,散乱線の計算と平行して行っており,総合的にはおおむね順調に進展している.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究課題も申請書での計画通りに行っていく予定である.また散乱線の計算時間がかかっていることに関しては,PCの数を増やして,対応する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であったソフトウェアにおいて,当該研究に関わる大きな変更がなかったこと,また散乱線計算後に購入予定のソフトウェアを使用する予定であり,今年度はその必要性がなかったため,ソフトウェア購入を次年度へ見送り,次年度使用額が生じた.
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次年度使用額の使用計画 |
今年度,散乱線の計算が終わり次第,本研究課題が次のステップへと進むため,購入する予定であったソフトウェアを購入する予定である.一方,計算時間短縮のため,PCの追加購入にも予算を振り分ける予定である.
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