研究実績の概要 |
本研究に必須であるADモデルマウスは、アルツハイマー病遺伝子組み換えモデルマウスとして用いられているB6.Cg-Tg(APPswe.PSEN1dE9)85Dboを購入し、実験に適する時期になるまで飼育している最中である。 平成26年度はEPRイメージングシステムの改良を行ったため、最新の高速EPRイメージング装置を使用すると、マウスの頭部におけるニトロキシド化合物の181プロジェクションからなる3D EPR画像を約10秒ごとに撮像することが可能となった。この装置を用い、健康な若いマウスを用いて基礎データを収集している。具体的には、血液脳関門を通過し脳組織に入る複数種のニトロキシド化合物(アスコルビン酸に強い耐性のある種類と、耐性のない種類の3-hydroxymethyl-2,2,5,5-tetramethylpyrrolidine-1-oxyl:HMPやmethoxycarbonyl-2,2,5,5-tetramethylpyrrolidine-1-oxyl:MCP)を投与し、頭部における分布や代謝速度などの画像評価を行っている。また、ADモデルマウスではない、高齢マウスを用いて、若いマウスとの脳内ニトロキシド化合物の分布や代謝速度(レドックスバランス)の比較も行っている。 EPRイメージング法とMRIを用いた脳内レドックスバランスの比較検討により、若いマウスに比べて、高齢マウスの脳内は部位によりその還元速度にばらつきが認められる事が明らかとなった。
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