研究課題
アルツハイマー病(AD:Alzheimer’s disease)は認知症を呈する進行性神経変性疾患である。超高齢社会となっている日本において、その患者数は200万人にも及ぶと言われ、2050年までに世界で1億人を越える患者数になるとの予測もあるほど、世界的にみても非常に関心の高い疾患である。ADと活性酸素種(ROS)生成の関連性が指摘されているが、詳細は未だ不明である。脳内酸化ストレスの評価、つまりin vivoで非侵襲的にROSの影響を画像から評価する事が出来れば、ADの発症機序解明や早期診断に役立つのではないかと考えた。そこで、ROSの産生による酸化ストレス状態の変化が原因の一つと考えられ、今後、その患者数が増える事が予測されるADの発症・進行機序を解明する事を目指して、EPRイメージング法によりADモデルマウスの脳内酸化ストレス状態を非侵襲的に画像化する研究を行った。最終年度である平成27年度は、平成26年度から飼育していたアルツハイマー病遺伝子組み換えモデルマウスとして用いられているB6.Cg-Tg(APPswe.PSEN1dE9)85Dboが本研究で使用可能な程度に成長してきたので、ADモデルマウスに於けるEPRイメージングを行った。また、それと並行してADのコントロールとして遺伝子操作を行っていない高齢マウスにおけるEPRイメージングも行い、それらの比較検討を行った。その結果、コントロールに比べてADモデルマウスの脳内におけるレドックスバランス、特に海馬付近でのレドックスバランスの変化が有為に変化している事が明らかとなった。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
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