研究実績の概要 |
既に作成済みであったヨード化PIポリアミド(I-PI)および臭素化PIポリアミド(Br-PI)を1,5,10,50μMまで濃度を調整しヒト膀胱癌(T24)とヒト乳癌細胞(MCF7)などの腫瘍細胞株に投与し24時間後に0,2,6GyのX線照射を行った。照射後48時間後に非投与群とのWST法による比色定量により生細胞数の評価を行ったがこれらのPIポリアミドに明らかな放射線増感効果は確認出来なかった。 Colony formation assayによる生存曲線を検討している。 また1分子中にヨード元素を2個以上持つPIポリアミドの作成を検討している。 また放射線増感効果が確認されている既存の抗がん剤であるシスプラチンをPIポリアミドに結合させる合成を行っている。これによりシスプラチンより腫瘍特異性が高く副作用が少ない新規の放射線治療を実現したい。合成スキームが長いが現在中間化合物まで合成に成功しtrans-白金(II)ジアンミンジクロリドとPIポリアミドの結合中である。 既存のシスプラチンによる放射線増感効果は過去の文献にならいヒト子宮頸癌細胞で確認した。シスプラチンは過去の文献にならい0.01,0.1,0.5,1μMまで濃度を調整し投与し24時間後に0,2,4,6GyのX線照射を行った。非投与群とのWST法による比色定量およびColony formation assayによる生存曲線から我々も0.5μM以上で放射線増感効果を確認した。
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